スキップしてメイン コンテンツに移動

角交換四間飛車の台頭

最近の将棋事情

最近、プロの将棋では角交換四間飛車が流行し始めている。
きっかけとなったのは今期の王位戦(http://live.shogi.or.jp/oui/)で、藤井猛九段が連続採用したことだ。
といっても、藤井九段はここ2年程、角交換四間飛車を指し続けている。だが、中々勝つことが出来なかったので誰も見向きをしなかったのだが、王位戦で挑戦ししかも羽生王位相手に1勝を挙げたという事でこの戦法の優秀さが認められるようになったのではないか。
実際、対戦相手の羽生王位も後の王座戦第二局(http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/60/ouza201209050101.html)で採用し、しかも勝っている。

角交換四間飛車のメリット

角交換四間飛車のメリットは以下の点である

  • 穴熊に組ませない
  • 決定的な対抗手段が見つかっていない
  • 定跡が整備されていない
穴熊に組ませないのは、振り飛車党には必須事項といっても過言ではない。平気で穴熊を組ませて勝てるプロはもう殆ど居ないであろう。それほど居飛車穴熊という戦法が優秀だという事だ。その優秀な居飛穴を防げるというその1点だけでも戦法として優秀である事が理解できる。
次の決定的な対抗手段が見つかっていないと定跡が整備されていないという点は相互に関係している。現代将棋はスピードと定跡の時代である。30手から40手まで整備されている定跡が殆どであり、それぞれ結論が出ている。そういった中で、定跡が整備されていない戦法は結論が出ておらず、対抗手段もまちまちであるため、研究のしがいがあり、尚且つ勝つ要素がある。そのような事情から、角交換四間飛車戦法はプロにとっても非常に魅力的な戦法になっているのだろう。
もちろん、最近ゴキゲン中飛車が上手く行かなくなっているという背景も無視できない。超速37銀や2枚銀による対抗手段が確立されつつあり、力戦と言われていたゴキ中も定跡整備が進んできたといった所か。 いづれにせよ、角交換四間飛車は今後対局数が増えていく戦法であろう。

角交換四間飛車のデメリット

  • 駒組みが難しい
  • 手損が気になる
  • 僅かなミスが即敗北
駒組みが難しいのは、お互い角交換している為、角打ちの隙を作らないようにしなければならないという点があるからだ。さらに、自分から角交換をするという手損+場合によっては向かい飛車に振り直すという、実質的に3手損くらいする。そのような不利な状況から巻き返すには序中盤でかなり巧みに立ち回らないといけない。
さらに、そのような繊細な序盤、中盤が強いられる為、1手でもミスすると即敗北に繋がる。藤井先生の過去の棋譜を見ると序中盤は非常に有利に進めていたのに、中盤から終盤へ移行する所でミスをしてしまい、そのまま負けるというケースが多々ある。そういう意味で、非常に神経を削る戦法であると言える。
角交換四間飛車は素人の目からすると適当に指せる戦法なのだが、プロの目から見ると分岐が多すぎて処理しきれないというのが実情のようである。

今後の見所

角交換四間飛車を指す棋士はしばらくは振り飛車党が多いとは思うが、佐藤康光、深浦康市、森内俊之といったオールラウンダーが採用し、指すようになればさらに新しい手が見つかっていくと思われる。
特に、異質感覚の佐藤康光先生の将棋には密かに期待している。
100人中99人が不利と思う局面を「良し」とするその感覚は、トッププロにとっても驚異であるうえ、整備されてない局面でこそ彼の持ち味は生きてくる。
今後、先に挙げた棋士が採用する角交換四間飛車が楽しみである。

コメント

このブログの人気の投稿

Let's note CF-SZ6にGoogle Play入りChromeOSを入れて、超軽量Chromebookを手に入れた

Let's note CF-SZ6にGoogle Play入りChromeOSをインストールする 先日、 魔が差して 、 Let's note CF-SZ6の中古 をポチってしまった。なんとなく ChromeOS に触りたくなり、中古のやっすいPCに入れたらええんちゃうんという心の声に逆らえなくなった。 で、一旦ChromeOS Flexを入れて使ってみたんだけれど、やっぱりGoogle Playのアプリが入れられないのはNG。 自分が欲しかったのは、Google Playが使えるChromeOSなんやという事で、 ネットのインストール記事 を探して、入れることにした。 ほぼ、そこの記事通りにインストールしているが、自分なりのアレンジも加えているので、参考にする人は参考にしていただきたい。 手順は下記の通り 軽量Linuxをダウンロードする 対応しているChromeOSのバージョンを調べ、ダウンロードする Brunchをダウンロードする Rufusをダウンロードする USBメモリーに軽量Linuxをインストールし、ChromeOSをコピペする USBメモリーから、実際に軽量Linuxを起動して、インストールコマンドを実行する 軽量Linuxをダウンロードする インストール作業用として、軽量LinuxをUSBメモリーに構築する。 Linux Mint がオススメという事なので、こいつをダウンロードする。 ダウンロードページ にアクセスし、Xfce Editionをダウンロード。 ダウンロードが完了すると、 linuxmint-21.3-xfce-64bit.iso みたいなファイルが出来上がっている。 対応しているChromeOSのバージョンを調べ、ダウンロードする 自分が購入した Let's note CF-SZ6 は、Core i5-7200Uとの事なので、7世代目のCPUとなる。 この7世代目のCPUに対応しているのは、board: rammusのバージョンになる。 https://cros.tech/ にアクセスし、 rammus を検索すると、対応するChrome OSのバージョンが出てくるので、これをダウンロードする。 自分は、 stable バージョンの 126 をダウンロードした。 ダウン...

Windows版gVimをアンインストールした日

Windows 版 gVim をアンインストールした話 以前に、 Windows11 on WSL2 + wezterm + Neovim = 最強開発環境 という痛々しい記事を書いたのだが、その続きの記事と言っても過言ではない。 この記事は Vim 駅伝 の 3 月 1 日の記事である。 前回はぺりーさんの netrw を使うために という記事だった。 次回は kuuote さんの Vim 側の組み込みプラグインを無効化するハック という記事である。 gVim との付き合い 思い返してみると、gVim との付き合いは大分長くなった。エディタとしては 自分の人生の中で最も長く付き合ってきたエディタ と言える。Vim のインターフェースとして gVim を何度も使ってきた。自分の手持ちのマシンは Windows なので、必然的に gVim を選択肢として選ぶ必要があった。 gVim の良さは何か。それは、Windows とのシームレスな関係であり、Windows OS の機能をそのまま使いたい場合に有用である。かつての自分にとってこの部分は非常に重要であった。具体的には、印刷機能と画面半透明化機能であり、これが無いとやってられないという認識であった。 しかし、時代が進み、自分の技術力の向上や考え方の変化、さらに Vim 周りのプラグインの更新が進むと gVim で運用していく事がだんだんと億劫になっていったというのが事実である。故に、 WSL2 上で動く Neovim の快適さに心が打ち震えた のである。 技術力の向上に伴う考え方の変化 かつての自分は 何でも gVim で処理したいな と考えていた。メールを見たり天気を見たり、Twitter を見たりするのに、gVim を活用していた。かつての Emacs 使いの guru のような立ち位置を目指していたというのがある。2000 年代初頭にインターネットに多少なりとも触れていた人ならば、「それ Pla」という古の単語を思い浮かべるかもしれない。この概念を持ち出すのはあまりにも古すぎるが、結局言いたいのは、 1 つの手法で全部をこなす という考え方だ。ネットを見るのにわざわざブラウザに切り替えるのはもったいないという今となっては情熱に似た何かを当時は多くの人が持っていた。 しかし、自分自身の技術力...

翼の騎士正体考察

翼の騎士正体考察 最新刊の宣伝 先日、 最新18巻が発売された 。七ツ星 魔人 ヴァンデル も残るは、ノア、ベルトーゼ、ロディーナと3体まで減り物語も佳境に入ったと言える。今巻は、新生ビィト戦士団の結成と魔人博士ノアとの邂逅までが描かれているのだが、いやあ、そう来たかぁという落ちで、何も情報無しで読むとめっちゃビックリすると思う。 最新刊読んでいない人は今すぐ購入して読もう。 翼の騎士について 翼の騎士の初登場は(恐らく)7巻P94。シルエットのみの登場。本格的な登場は9巻のP31以降。 本格登場から、ゼノン戦士団の才牙を十分以上に使いこなしていて、正体は一体誰なのだろうと考えさせられるキャラだ。 翼の騎士は ゼノン戦士団を良く知っている ゼノン戦士団の才牙を使いこなせる 武器としてミニガンを持っている(9巻P82) 武器として長剣(?)を持っている(12巻P115) 長剣と天力を使って弓矢のように放つことが出来る?(12巻P126) クルスと同時に存在してるページがある(=クルスではない)(11巻P123) 才牙は持っていない 時間制限がある(12巻P138) 時間になったり、一定上のダメージを受けると光になって消える(12巻P140) ビィトは素顔を知っている(16巻P61) グランシスタ王と顔見知り(18巻P63) といった要素が挙げられているが、決定打は今のところ無い。 とは言え、ここまで出揃った要素について考えると、幾つかの候補が挙げられる 翼の騎士の正体候補 上記の要素から、翼の騎士の正体は基本的に ゼノン戦士団 の誰かである事は確実だろう。 その場合、候補は三人になる。 ゼノン アルサイド ブルーザム 候補1 ゼノン ベルトーゼとの戦いで光となって消えてしまった ゼノン が翼の騎士の正体と考える読者は多いだろう。 王道でひねり無く行くならば、ゼノンで良い気がする。 ゼノンほどの能力があれば、ゼノン戦士団の才牙を使いこなせるというのも納得だし、光となって消えるのも、回想シーンからある程度納得の行く材料として挙げられる。 しかしながら、ゼノン(=実の兄)との再開なのに、思った以上にビィトが喜んでいないというのが個人的には引っかかっている。三条陸氏は何もひねらずに伏線回収するよりも、 一捻り入れ...