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個人サイトの死

個人サイトの死

2019年は、個人サイト作成という文化が死去した年だと思っている。
かつては多くの人が個人サイトを作成していたと思う。個人サイトなんて言い方よりも、ホームページとかほめぱげとかそういった言葉の方が心に刺さるかもしれない。

Yahoo!ジオシティーズサービス終了のお知らせ

2019年の3月に最大手とも言うべきジオシティーズのサービスが終了した。
これが決め手になったが、そのずっと前からすでに個人サイトを作成することはコストの割にリターンが少ないので、多くの人が手を引いていたのではないだろうか。
個人サイトの最盛期はいつ頃だったのか覚えていないが、肌感覚では2005年の前後3年くらいが最盛期だっと思う。
ブログの台頭と入れ替わりの形で個人サイトは徐々に衰えていった。
そのブログ自身も衰退して、SNS(TwitterやLINE)に押されまくり、最終的にたどり着いているのがYoutubeのような気がしている。

現代Webで一番稼げるのはYoutubeである事に異論を唱える人は少なくないであろう。
個人サイト→ブログ→SNS→Youtubeといった流れだ。
もちろん、今でもすべてのサービスは平行で稼働していて皆様々な活用をしているが、以前のような激しい変化は減っている。

個人サイトは、構築するのが非常に大変である。HTMLとはなにか、CSSとはなにか、JavaScriptって何?クロスブラウザ?サーバ?FTP?BASIC認証??ドメイン??SSL証明書??
そう、Webのあらゆる基本を学ぶことが出来た。
ローカルで確認する際に、file:/// みたいなURIで作成して表示していたのは非常に懐かしい話だ。
C++オンリーで開発していた自分が今ではJavaScriptオンリーで開発するような環境に変わるとは、当時欠片も知らなかった。

個人サイトが死ぬ事で、Webの基本的な事柄を知らなくても簡単に情報発信できるようになった今の時代は実はとても恵まれているのかもしれない。
しかも、パソコンなしでも全部出来るようになっているのが大きい。
Youtubeの動画を撮影して、編集して、文字入れして、サムネイル作っても、スマホがあれば(時間が掛かるが)出来ないわけではない。

私がフロントエンドエンジニアとして働くきっかけになったのは、初めての転職がきっかけと言えばきっかけになるが、根本的な部分として、個人サイトを構築していたというのが根っこにあると思っている。
もし、その経験が無ければサーバサイドエンジニアとして働いていた可能性が高い。なぜならば、一番最初にやってたのはオープン系だったからだ(笑)

今振り返ってみると、色々と懐かしい思い出だ。

JavaScriptをここまでやり込むことになった一番のきっかけ、Operaのuserscriptである事はこのブログの読者の方々であれば周知の事実である。
今考えてみると、そういう仕組が様々なブラウザに搭載されていたあの時代はかなり挑戦的で野心的な時代だったと思う。
Autopagerizeという言葉も今となっては懐かしすぎる。あれのカスタマイズは本当にワクワクして面白かった。
Ajaxなんていう言葉もあったが、今はなくなっている。
LAMPという言葉もあったが、最近だとJAMStackという言葉に置き換えられている。

そう、JAMStackだ。JavaScriptとAPIsとMarkupだ。やっている事は個人サイト構築に限りなく近い。
もちろん、かつての技術での実現と今の技術での実現は雲泥の差である。
ReactやVueといったフレームワークの登場により、各種パーツのコンポーネント化が楽にできるようになった。
多くの技術を吸い上げて、見た目上は10年以上前にやっている事と同じことを未だにやっているのだ。

しかし、今の開発環境はかなり変わっている。ベタ打ちでタグを書く必要はない。
各種エディタがいい感じに補完してくれている。Emmetという入力記法もある。
Markdownのお陰で、かなり楽に文章構造を構築できるようになっている。

コマンドを叩く事で、ページを簡単に追加出来ている。
ヘッダーやフッターもコンポーネント化する事で、全ページに反映することが出来ている。
各種ページはホットリロードで更新分をすぐに表示確認できる。
テストも充実していて、コンポーネント単位でテスト出来るようになっている。
新たに追加しても、コケた部分をすぐにチェックできるようになっている。

様々な技術が進み、Webサイト構築は飛躍的に簡単になっている。

では、それをゼロから学ぶ人達は今どれだけいるのだろうか。
私にはその答えが分からない。

現代は、JAMStackのAPIsの部分を無視すれば、Github Pagesなどで、無料で簡単に静的サイトをホスティングする事が出来る。
各種ページのジェネレーターも充実している。
Rubyが盛んだった頃は、Jekyllが人気だったが、最近のトレンドだとNext.jsやHugoやGatsbyなどの人気が高い。

フロントエンドに関しては様々な技術がたくさんあって追っていく事は本当に大変だが、結局やっている事はあんまり変わっていなかったりする。

いきなりサイトジェネレーターを使って、モダンに個人サイトやポートフォリオを構築するのは一つの手であるが、時にはふと立ち止まって、テンプレートなどを使わずゼロからサイト構築をしてみるのはどうだろうか。
ゴリゴリHTMLやJavaScriptやCSSを書いている時に、あの時の憧憬を、私はどうしても忘れ去ることは出来ないのだ。

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