SF 絶対に読んでおけランキングを読み終えた
今年の 8 月にまとめた、SF 絶対に読んでおけランキングの未読作品を読み終えた。 残っていた 3 作は下記の通り。
- 銀河英雄伝説
- 宇宙の戦士
- 歌う船
以下、各作品の感想
銀河英雄伝説
アニメ化もされている本作だが、ある程度のアウトラインは無意識のうちに摂取していたか、内容はなんか読んだことあるなという事が多かった。 とは言え、面白くないかと言えばそんな事なく、バチバチに面白かった。 覇道を行くラインハルトに対して、意地汚い生き残る道を選ぶヤンとはっきりとした考えの違いで、なんやかんやラインハルトを出し抜くヤンの良さに惹かれてしまった。 どちらも魅力的なキャラなので、どっちが好きかは人それぞれだと思うが、僕はヤン・ウェンリーのキャラが好みだった。 読んだのは黎明編なので、これから最後まで追い続けて読みたい。
宇宙の戦士
パワードスーツを発明した画期的な作品……、なのだが、実質的には兵士が育っていく物語。 暴力を描かせたらハイラインの隣に並ぶ人はそういないと感じるほど、痛ましい描写が多い。苦手な人は苦手かも。 SF というよりも、ミリタリー要素が凄く強い。 男の子が好きな作品というイメージ。
歌う船
ランキングを全部読み終えて
足掛け 3 ヶ月を掛けて、未読作品全部読んでみた。読んで良かったと思う。 自分が読んだ作品の中で感銘を受けたのは、
- 戦闘妖精雪風
- ソラリス
- 銀河ヒッチハイク・ガイド
- 果しなき流れの果に
の 4 作は僕好みだった。特に、ソラリスはこの中では一番ぶっ飛んでいて、すごい考えさせられる作品だった。 難しい事を考えるのが好きな人は、ソラリスを読むことをオススメする。SF の枠を超えた SF で、凄い難解。
雪風も、かなり哲学書じみているけれど、シリーズを一気に読み切るくらいには面白かった。 まずは、第 1 作の戦闘妖精雪風を読むと良い。グッドラック、アンブロークンアローは相当に難解なので、1 作めの感じで読もうとすると苦労するかも。逆に、アグレッサーズは第 1 作に近い雰囲気なので、グッドラック、アンブロークンアローを飛ばしてアグレッサーズを読むというのもアリかもしれない。
銀河ヒッチハイク・ガイドは、まあ、笑える。シニカルなギャグが多く、僕は何度も笑った。 42 がなぜ 42 なのかという理由が全く出てこなかったり、そのためだけに地球を作ったり壊したりと、めちゃくちゃなストーリーがガンガン紡がれていて、頭の固い自分には想像できない世界に連れて行ってくれたので、本当に面白かった。 ただ、これは万人向けではなく、ギャグが理解できない人や、不条理が許せない人には意味不明なイライラだけを募らせると思うので、オススメは出来ない。
果しなき流れの果には、情報量がヤバい。知識の巨人を体感したい場合、これ 1 作読むと、"物知りになった気”になる事が出来る。 初期小松左京という事で、割と荒い描写もあるが、それも含めて楽しめると思う。タイムトラベル物とか、メタバースとかそういうジャンルが好きな人に刺さると思う。 最も、通信手段など古めかしさが漂う所もあり、やはり「古典」なんだなと感じてしまう。時代が経てば経つほど、色褪せていく作品なので、読むなら早めに読んだほうが良いと思う。 エピソード部分がとても綺麗なのだが、それが結構序盤に挿入される。最期が分かっているので、最後まで読み進める原動力になっているのが上手い構成だなと感じた。
色んな人がオススメしている作品が面白くないなんて事はなく、ほとんどが面白かった(例外は歌う船とあなたの人生の物語だったかなぁ。この 2 作は合わなかった)。 ここ数ヶ月は、SF 漬けだったので、そろそろミステリを何か読みたいなと感じつつある。
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