スキップしてメイン コンテンツに移動

Vim のテキストオブジェクトと surround.vim で効率よく入力

Vim のテキストオブジェクトと surround.vim で効率よく入力

これはVim 駅伝の 13 本目の記事です。

テキストオブジェクトとは

皆さんは、テキストオブジェクトを活用しているでしょうか。 私は、特に HTML を書く時にテキストオブジェクトを活用しています。

テキストオブジェクトは、Vim7 から導入された新しい概念であり、記号などで囲まれたテキストをオブジェクトとして扱うことができる、Vim の機能です。 具体的には、カッコやダブルクオーテーションやタグ等で囲まれているテキストの削除、コピー、変更を簡単に行なう事が出来るようになります。

実際にテキストオブジェクトを使う場面

では、実例を考えてみましょう

例1)記号で囲われたテキストの中身を削除する

例えば、下記のようなコードがあったとします。

function (arg1,arg2,arg3) {
}

(arg1,arg2,arg3)と書かれた所を一気に削除したい事がありますよね。 通常の削除処理ではdwdwdwdwと連打して消すとか、5dwで消すというやり方が思い浮かぶかもしれませんが、テキストオブジェクトの場合、下記の操作で削除出来ます。

di( または di)

実際に、上記コードをコピペして、やってみてください。 ()内であればどこででもこの操作は有効です。

同じような例として

const str = "Hello, World";

のように、ダブルクオーテーションで囲まれた文字列を削除したい場合は、

di"

で削除する事が出来ます。

例2)記号で囲われたテキストの中身を変更する

例えば、下記のようなコードがあったとします。

function (arg1,arg2,arg3) {
}

(arg1,arg2,arg3)と書かれた所を一気に変更したい事がありますよね(デジャブかな?)。 そんな場合、下記の操作で変更出来ます。

ci(

と入力すると、()の内側を消して、入力モードになります。 そのままタイプすれば、中身を変更することが出来ます。

同じような例として

<h1>sample title</h1>

のように、タグで囲まれた文字列を変更したい場合は、

cit

と入力すると、タグの内側を削除して入力モードになります。

例3)記号で囲われたテキストの全てを削除する

ここまでは、記号で囲まれたテキストの内側を変更する操作でしたが、記号で囲まれたテキストを全て削除したい場合ありますよね。 例えば、

<ul>
    <li>apple</li>
    <li>banana</li>
    <li>orange</li>
    <li>grape</li>
</ul>

このようなリストがあって、li タグ全てを削除したい場合、ul タグの位置に移動して、

dat

と入力することで全部削除する事が出来ます。 特に、HTML や XML を編集する際に、非常に力を発揮する操作です。

テキストオブジェクトの覚え方

こんなオペレーションどうやって覚えればいいか分からないという方がいらっしゃるかもしれませんが、オペレータを覚えれば簡単です。

オペレータ名 英語表記
d delete
c change
y yank
v visual

これに、下記の操作を組み合わせます

オペレータ名 英語表記
a" a double quoted string
i" inner double qoted string
at a tag
it inner tag

自分は、a ~みたいな覚え方は出来なかったので、all,inという感じで覚えています。 all と in は、正規の考え方では無いので、ご注意ください。 自分は、この記事書くまで由来をちゃんと知らなかったです。

surround.vim とは

surround.vim は囲っている記号などを操作する時に役立つプラグインであり、先のテキストオブジェクトと組み合わせて使うとかなり楽に編集が出来ます。

実際に surround.vim を使う場面

例えば、タグを差し替えたい時があります。

<div>とても長いテキストとても長いテキストとても長いテキストとても長いテキストとても長いテキストとても長いテキスト</div>

この場合、

cst<span>

と入力すると、div タグで囲われた文字列を、span タグで囲われた文字列に修正する事が出来ます。

他にも、

const str = "Hello, World";

のような文字列をダブルクオーテーションからシングルクォーテーションに変えたい場合、

cs"'

と入力するだけで置き換える事が出来ます。 surround.vim もオペレーションは同じで、あとは a と i の場所を s に入力切り替えするだけで使えるようになります。 テキストオブジェクトの操作方法と同じ感覚で文字を編集できるこのプラグインはとても強力なので、導入をオススメいたします。

最後に

Vim 使いの方々からすると、ごく常識的な事だったと思いますが、日常的に使っている Tips としてぜひ紹介したかったので書きました。 テキストオブジェクトを覚えてからは、他のエディタで同じオペレーションをしてしまい、色々と憤死しそうになります。 Vim 系列のエディタ以外が使えない身体になっていますが、後悔はしていません。

ちなみに、自分は Vim 系以外でこの概念を持ったエディタを知らないのですが、他のエディタにはこういう編集方法って存在するんでしょうか。 識者の方に是非教えて頂きたいです。

コメント

このブログの人気の投稿

ddu.vim introduction

ddu.vim へ移行する 昨日、重い腰を上げて、 denite.vim から、 ddu.vim への移行を行った。 基本的なセッティッグは、ddu.vim の README.md を読めばある程度出来る。 とは言え、ddu.vim の理念を理解していないとそもそも使えないプラグインなので、理念を含めて説明していきたいと思う。 ddu.vim とは ddu.vim は、 Shougo さんによって開発されている、Vim プラグインである。 Unite.vim や denite.vim の流れを組むプラグインであり、物凄く雑に説明すると、Vim で操作できる全てをコントロールしようというプラグインである。 雑すぎねーか。 Unite.vim からこのコンセプトは変わっていないが、Unite.vim は速度が遅いという欠点を抱えていた。 そこで、速度改善のために、pure Vim Script から脱却し、Python3 を採用したのが、denite.vim。 しかし、denite.vim は Python 回りのでトラブルが多かった。 そういう地獄のような状況で、 denops.vim というプラグインが登場する事で環境が一気に変わった。 denops.vim は、 Deno を Vim で使えるようにするプラグインで、これがべらぼうに Vim と相性が良かった。 早いし、色々なことが出来るなど、非常に柔軟な対応を出来るようになった。 Python ちゃんは要らなかったんや……。 簡単にまとめると、 ddu.vim は全てを繋ぐ 環境依存性を著しく下げる denpos.vim の登場により、環境構築が容易に Deno を採用することで高速性と柔軟性を担保 と言った、まさしく次世代のプラグインと呼ぶことが出来る。 ddu.vim の概念 ddu.vim には、 UI sources filters kinds という概念があり、これらも合わせてインストールが必要である。 それぞれ好きな物をインストールすれば良いと書いてしまえばそれで終わりなのだが、初めて導入する人にとっては何を言っているのか意味が分からないと思う。 UI は、文字通り、ユーザーインターフェースである。 とりあえず、ファジーファイン

PlemolJP導入

PlemolJP を導入した 思い立つことがあり、 PlemolJP をインストールする事にした。 自分は、PowerLine を使っているので、PlemolJP Nerd Fonts 版である、PlemolJP_NF をダウンロードしてインストールした PlemolJP の releases から、PlemolJP_NF_vx.x.x.zip をダウンロードする。 zip を展開し、PlemolJPConsoleNF-Regular.ttf をインストールする set guifont=PlemolJP_Console_NF:h18 を gvimrc に書く(フォントサイズはお好きに) ちなみに、これは Windows 限定の設定なので、Mac や Linux などで導入する際には、別の方法をオススメする。 余談 gvimrc に指定するフォント名が微妙にわかりづらい。 普段は、 set guioptions-=m してメニューバーは出していないが、今回は :set guioptions+=m を実行して、編集 → フォント設定からフォントを選び、フォント名に入力されている文字列をコピペして、スペース部分をアンダースコアで置き換えた。 この辺のルールとかに詳しい人にぜひとも教えて欲しい所。 導入した感想 今までの Powerline フォントはいまいちなのが多かったが、PlemolJP の表示は非常に良い。 今後はこちらをメインで使って行きたい。 あと、僕はヱビス派です。