2018年3月3日土曜日

わりとマニアックな第76期A級順位戦の三浦対渡辺戦の感想

このエントリーをはてなブックマークに追加

棋譜



総括

詳細の解説は↑に譲るとして、総括です。

全体的に、先手が攻めて後手が受けるという展開でした。
46手目が渡辺先生らしくない手でした。この手を堺にジリジリと差を広げられた気がします。
最近のプロの棋士は攻めが非常に鋭くなっていて、受けに回ってもそのまま押し切られるという展開が多い気がします。どちらかと言うと受けが得意な渡辺先生にとって現在は非常にやりにくい環境になったのではないかなと思っています。

一方の三浦先生はミスらしいミスがほとんど見受けられず、快勝譜と言っても過言ではないでしょう。
冤罪事件から色々ありましたが、それでも真摯に将棋に向き合ってきた三浦先生の足取りをそのまま示したような将棋でしたね。
印象的なのは69手目の2四歩。
控えて打ってからぶん殴るという豪腕三浦を感じさせる手でした。

渡辺棋王が自身のブログに書いたように、かなり調子を落としているように見受けられますが、スランプを抜けきってまたあの憎たらしいまでに強い将棋を指して欲しいものです。

2018年2月27日火曜日

JavaScriptのargumentsって気持ち悪い動きをするんですね

このエントリーをはてなブックマークに追加

久々のブログ

皆様お久しぶりです、Arc Cosineです。
最近は、ゲームブログばかり更新しているので、この雑ブログも閑古鳥が泣いております。
今日は珍しく技術的な話です。

JavaScriptのargumentsって、色々便利に使えるのですが、意外とその仕様をしっかりと理解していませんでした。

https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/JavaScript/Reference/Functions/arguments

興味がある方は、↑を見てください。
見てて面白いなーと思ったのが、このコード。

function func(a) { 
  arguments[0] = 99; // updating arguments[0] also updates a
  console.log(a);
}
func(10); // 99

お前変わるのかよwwwww

function func(a) { 
  a = 99; // updating a also updates arguments[0]
  console.log(arguments[0]);
}
func(10); // 99

こんな気持ち悪い動きもします。
aを変えているのに、arguments[0]が変わるという挙動をします。

ちなみに、デフォルト値を設定するという気持ち悪いコードを書くとこういう動きをします。

function func(a = 55) { 
  arguments[0] = 99; // updating arguments[0] does not also update a
  console.log(a);
}
func(10); // 10

なんだよお前wwwwww
いやぁ、草が生えます。

こういう謎の動きをするので、strictではない、デフォルト値を指定するという書き方は、避けたほうが良いですねー。

JavaScriptを触り続けて10年が経過しようとしていますが、こういう基本的な事でも知らないことってあるものですね。
argumentsを使うようなテクニカルなコードを書く事は滅多に無いのですが、頭の片隅に置いておくと良いでしょうね。

2017年8月3日木曜日

たまには意味の無い雑文を

このエントリーをはてなブックマークに追加
本当に久々にこちらのブログの更新になりますね。
今回は特に意味のない更新です。
2017年になってから一度もブログ更新していないと生存してるんだかしてないんだかって感じですが、残念ながら生存しています。
気がつけば、このブログを初めて10年が経過しつつあります。
このブログの存在意義というか、意味というか、まあ、ぶっちゃけただの備忘録的な感じのアレなので、あまりアレなのですが、それでもじっくり書いて育てたので、それなりに意味のあるブログなんだと個人的には思っています。
最近は、Qiitaという技術ネタを書くエリアが出来たので、そこに技術ネタを書き込めるようになったので、このブログに積極的に書く必要はなくなりました。
将棋ネタに関しては、適当な感想を適当に某所に適当に書いているので、それなりに、アウトプットしています。
ニコニコに関しては書くことはほぼ無くなりましたね。毎日見てはいるのですが、以前ほど熱狂的に見ているという事はなくなりました。
むしろ、Youtube見ています^q^
Operaに関しては、もう書くことがありません。
一応、Vivaldiで色々やっていますが、結局Google Chromeのコンパチみたいなので、特に言うことは無いかと。
UserJavaScriptに関してもこれといって何か書いている訳ではありません。色々自分の環境で細かく設定はしていますが、それは僕のこのブログの過去ログを遡れば大体できてるので、特に新しく何かをする事はないでしょう。


本当は、スマホ関連のアプリ開発でもやればいーんでしょうけれど、体力と時間が全然無くなっている感じです。
以前は色んな開発をざっくらばんと追っていたのですが、最近は追いきれなくなりつつあります。
webpack便利だって事を最近知ったくらいですかね。
コードを書くスキルはどんどん上がっているつもりですが、それでも最先端までには行っていない感じなのが残念です。

エンジニア35歳限界説に到達しつつある昨今ですが、この辺を打開するほどのパワーがないのに少しだけ辛みを感じています。
新しいことを学ぶ意欲が無いというよりは、既存の能力で新しい事をやっちゃってる感じがあって、すごく悲しいです。
いい加減、パラダイム・シフトレベルでの違うことやらないとダメかもしれませんねえ。


そんな感じで相変わらず毎日適当に生きてます。
落ちは無い。

2016年10月19日水曜日

AAをスマホで表示する

このエントリーをはてなブックマークに追加

誰得メモ

スマホでも上手く表示するための AAを貼り付けるためのスタイルです。@kægeさんありがとう。

@font-face{
    font-family: 'Saitamaar';
    src: local('Saitamaar'),
    url('http://keage.tokyo/fonts/Saitamaar.eot?') format('eot'),
    url('http://keage.tokyo/fonts/Saitamaar.woff2') format('woff2'),
    url('http://keage.tokyo/fonts/Saitamaar.woff') format('woff'),
    url('http://keage.tokyo/fonts/Saitamaar.ttf') format('truetype');
    font-weight: normal;
    font-style: normal; 
}
.aa{
    background: #fafafa;
    border: 1px solid #cccccc;
    color: #333;
    font-weight:normal;
    font-family:Saitamaar, sans-serif;
    font-size:5pt;
    line-height:1.1;
    text-align: left;
    margin: 0;
    padding: 0;
    -moz-text-size-adjust: none;
    -ms-text-size-adjust: 100%;
    -webkit-text-size-adjust: 100%;
    -webkit-text-size-adjust: 100%;
    text-size-adjust: 100%;
}

後は、AAをpreタグ内貼り付けて、クラス名にaaを付ける。
クラス名は各自お好きなようにどうぞ。
上手く表示出来ない時は、font-sizeを適当にいじってください。10pt~14ptあたりお薦め。

実際のテスト

             /::7ヽ '": : : : : : : : : : : : : : : : : :` 、   r─‐┐
               /:://: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ l::::/:::::l
               /::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`l::::rヘ:::l
           /::/: : :/: : : : : :.,ィ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : l/: : : :ヽ
            /:l/:./: : : : : : : / l: : : : : l: : : : : : : : : : : : : : :.l: : : : : ヽ
            /: /: : : : : : : : :/  l: : : : : ト: : : : : : ┛┗: : : :l l: : : : : : :',
.           /: :l: : : : : : : : : :/   l: : : : : l ヽ: : : : ┓┏: : : :l: :l: : : : : : :',
         /: : :l: : : : : : : : :/ヽ   ',: : : : :l. \: : : : : : : : : :ト、 l: : : : : : :.',
.        /: : : :l: : : : : : : :/  \  ',: : : :.!/ \: : : : : : : :l:::〉l: : : : : : : :',
       /: : : : :l: : : : : : :/ r─- 、ヽ \: :l r──r┐: : : : : l/ l: : : : : : : :.',
        /: : : : : :',: : : : : :.l l. l::::::::::〉   ヽl. ',::::::::::!/l: : : : : :.l  l: : : : : : : : :',
.     ,': : : : : : : ', : : : : :ハ  ヽ:::::/       ヽ::::ノ !: : : : :./   !: : : : : : : : :',
      ,': : : : : : : : :ト、: : :.l: l      '        l: : : : /    l: : : : : : : : : ',
.     ;: : : : : : : : : l \: l: ヽ             イ: :/l/     l: : : : : : : : : :',
     i: : : : : : : : : :l   ヽハ:| ヽ、   ─(      , l: /        l: : : : : : : : : : ',
    l: : : : : : : : : : !     l   i゙`;,,、、__ ,,.. - .::..´_;_l/-,       l: : : : : : : : : : ',
.    l: : : : : : : : : : l       r゙!:.!;,;;i゙、|. .:;.-‐_''"-‐ ''´l,         !: : : : : : : : : : :',
    l: : : : : : : : : : :!     _,..-'--゙ート,゙!:.,' /´:::.::::.:.._;;ノ゙┐     .l: : : : : : : : : : : ',
.   l: : : : : : : : : : :l  _,,..-''"     r 'イl.,' ,' _.:.. -:.:'.:. :::::::`ヽ、     l: : : : : : : : : : : : ',
   l: : : : : : : : : : :.l ,! ,'       ゞ_ソ'=!゙:.:... . ...       \   l: : : : : : : : : : : : ',
   l: : : : : : : : : : :.l .,! .l :.' .:.  _, -'ニ-'゙ゞ;,ノ            `、 l: : : : : : : : : : : : :',
.   l: : : : : : : : : : : l ,| !:.'r=1-_,..-''´           :.      .::゙、 l: : : : : : : : : : : : :',
.   l : : : : : : : : : : :/:゙!.:|;,..{rヲ,゙             :.'  ,.ィ   _,,.:.:.:゙!l: : : : : : : : : : : : : ,
.   l: : : : : : : : : : :,' .::;!/゙´ヾ-'   .:.. .. .        l; ::.:'' _,.-''"_,,....,..゙i: : : : : : : : : : : : : '
.   l: : : : :,.- : .,,_,' ::/                 ,';.',-''"_,..::'":.:.:::;':.,!: : : : : : : : : : : : : :'
.   l: : : : i゙_二_,.`` Y      ...   .        l;/ ,.-'"  .. :.:.:;'ノl: : : : : : : : : : : : : : '
    l: : :i゙_,,...ィ   ゙!:::::..:.. .. .:.:..:::. .::. . .        ,!'´    . .:.::./   l: : : : : : : : : : : : : : : '
    l: : :゙! 、,,.、   .゙、:::::::::::::::::.:.::::::::.. .:.. .    .. .:/     .:..:.::/   l: : : : : : : : : : : : : : : :'
   l: : : ゙、l゙、.i    ゙、::::::::::::::::.: :.:::::::::::.:.:.:.. .. .:..:::/     .:::.,.'     l: : : : : : : : : : : : : : : ',
   l: : :         ` 、   ... :.:.:::::::::::::::::::::::/     ..:.;.'    .l: : : : : : : : : : : : : : : ',

2016年9月11日日曜日

iPhone7(128GB)を2年間維持するのに掛かる費用を計算したら、3大キャリアから脱出しろという結論に至った

このエントリーをはてなブックマークに追加

前の記事があまりにもひどかったのでリライト

けしてー♪ りらいとしてー♪
くだらないちょうげんそうー♪
わすられぬそんざいかんをー♪

ハガレンは名作ですよね。
ということで、iPhone7(128G)を2年間保持するのにどれだけお金が掛かるか、計算しました。

まず、auの月々割が適用されるのは、データ定額3からでした。
前の記事で計算したデータ定額1では、月々割が適用されないというクソ仕様でした。
ああ、そこまで堕ちてしまったのかと、思いましたよ、僕は。

比較的良心的だった携帯キャリアはもう居ません。どのキャリアも搾取することしか考えていません。
悲しいなぁ……。

通信費

月々の通信費 みおふぉん au 備考
電話代 200 1,700 みおふぉんの方は、自分の使ってる額から、毎月200円で算定
LTE NET 0 300 抱き合わせで絶対かかる費用(クソ仕様)
データ定額 1,600 2,900 どちらも月々3Gまで
通信費合計(税込) 1,944 6,696 その差4,752円

まず、通信費だけでこれだけかかります。

本体代金

月々の本体代 みおふぉん au 備考
機種代金 0 3,780
毎月割 0 -2,445
合計 0 1,335


通信費以外に↑の費用が掛かります。

月々の支払

月々の費用 みおふぉん au 備考
通信費 1,944 6,696
機種代金 0 1,335
合計 1,944 8,031 その差6,087


はい。
これが、一番良心的な金額です。
もう一度書きます。これが、一番良心的な金額です。

総合費用

さて、総合費用はどれほど掛かるのでしょうか。
MNPする場合と、

初期費用 MNPした場合 auで機種変更した場合 備考
本体 90,504 0 auの機種代は24ヶ月分の支払いに含まれる
契約費用 3,240 2,160
MNP費用 2,160 0
解約手数料 10,260 0 毎月割を適用している為
24ヶ月分の費用 46,656 192,744
(102,024)
auには、本体価格90,720あり
括弧内はその差分
合計 152,820 194,904 その差42,084


流石に2年間も積み上げると結構な額になりますね。
キャリアの契約に唯々諾々と従ったら、4万円損失します。
もちろん、これははした金だと感じる人もいるでしょう。
そういう人はこんなクソブログ読んでないで、もっと意識を高めてくれるブログを参考にしてください。
僕は、貧乏人なので、お金を上手にやりくりしたいと思いますので、脱庭します。
計算しなおしてみると、ひどすぎる差が出て震えます。
4万円=iPadって考えると1iPadを携帯キャリアに上げるって事ですからね。馬鹿馬鹿しい。
携帯キャリアの契約が非常にクソ仕様になっていますので、スマートフォンを手に入れたいと考えている人は、少し無理をしてでも、appleから直接SIMフリーiPhoneを購入し、音声通話が可能な格安SIMを手に入れて、3大キャリアから脱出しましょう。

とまあ、弱冠乱暴な結論ですが、実はまだdocomoだけは細かい契約に関しては発表していないんですよね……。
今のキャリアの契約のクソ仕様な所は、音声通話契約+ネットワーク契約+データ定額契約を抱き合わせでしか販売していないって所です。
その契約を分割して契約できない抱き合わせ商法なので、まったくもって遺憾です。
そうしないとキャリアにとって得にならないからなんでしょうけれども、マジでクソ仕様だと僕は思います。
金のなる木には絶対なりたくないと思った次第です。

ところで

iPhone7めっちゃ高くない?(今更……)
もうちょっと安くなりませんかね……。為替反映しろよksg。


2016年9月9日金曜日

Let's calculate the mobile phone costs

このエントリーをはてなブックマークに追加

iPhone7(128GB)の費用を試算してみた

お久しぶりです。Arc Cosineです。
iPhone7が欲しい昨今です。
本日発表されたauの値段から、費用を試算してみました。
比較するのは、SIMフリー iPhone+みおふぉんで運用したパターンと、auのみで完結したパターンです。
その結果驚くべき事実が判明しました

毎月の費用

月々の費用 IIJMio/みおふぉん au 備考
電話代 600 1700 どちらもかけ放題プランを選択
LTE NET 0 300 この値段が地味に後で効く
データ定額 1600 2900 みおふぉんは月々3Gまで/auは月々1GBまで
税込み 2376 5292 税率8%で計算


まず、auの契約を見る限り、月々のプランではかけ放題プランしか契約出来ません。
ここから、裏技を使うとしたら、LTE NETとデータ定額プランを契約しないという方式を取る方法があると思いますが、そうすると、電話代が毎月1700円掛かる事になるので、現状の僕からするとこの時点で赤字です。
みおふぉんは、誰とでも3分&家族と10分のオプションで計算していますが、僕の携帯の使い方だと、これ契約しない方が絶対安くなります。
一応平坦化するとこれくらい掛かるだろうって算段で600円にしています。
200円ぐらいしか使わない自信があるわ。
データ定額は、備考に書いている通り。これは各社のサービスの値段が違うから仕方がないですね(棒読み)
消費税が上がらなければ、みおふぉんの場合は2500円くらい、auの場合は5500円くらい掛かると思って良いでしょう。

合計の費用

さて、こっからが大事な合計費用

項目 IIJMio/みおふぉん au 備考
iPhone本体 83800 90720 なぜかauの方が高い
契約時の手数料 3240 2160 新規契約料と機種変更手数料の違い
MNP費用 2160 0
解除手数料 10260 0 ここは人によっては0に出来るかも
24ヶ月分の費用 57024 127008
月々割引 0 -58680
合計費用 156484 161208 その差4724

はい。合計すると、こんな差になりました。
大体5000円くらいの差って事ですね。
思ったよりも安上がりにならないなーと思いつつ、ちょっと待って!
これは、みおふぉんに変更する際に金でガツガツやった場合の対応です。
これをもう少し節約した形になるとこうなります。

みおふぉん節約型

項目 IIJMio/みおふぉん au 備考
iPhone本体 83800 90720 なぜかauの方が高い
契約時の手数料 3240 2160 新規契約料と機種変更手数料の違い
MNP費用 2160 0
解除手数料 0 0 ここは人によっては0に出来るかも
24ヶ月分の費用 46656 127008
月々割引 0 -58680
合計費用 135856 161208 その差25352

多分、僕の使い方だとこれが現実的な差額になると思います。
みおふぉんでの話し放題プランをなくして、電話代が毎月200円ぐらいと想定して計算するとこの額になるって事ですね。
初期費用は確かにかかりますが、それでも25,000円近い差が出るってのはありがたいですね。
これは2年間で試算していますが、もっと長い期間使った方がトータル的にIIJMIO使った方が安くなります。
また、今回はIIJMIOで試算しましたが、他の格安SIMを扱っている所でやればもっと費用を抑えると思います。
なにより、この手法を取ると、毎月2000円でiPhoneを維持できるってのが良いですね。
auの方法だと毎月5292円かかりますから(´・ω・`)
以前のauだと契約書に穴を残してくれて、データ定額プランを契約しないというのを用意してくれたのですが、それもどうやら駄目みたいですね……悲しい。
なので、結論としては、脱庭します。
auありがとう!10年以上お世話になったけれど、いつまでも体質改善しなかったから、見捨てることにするよ!
ではでは。


2016年6月1日水曜日

佐藤天彦名人誕生

このエントリーをはてなブックマークに追加

佐藤天彦名人誕生

shogi

昨日、名人戦第五局が行われ、弱冠二十八歳の佐藤天彦八段が新名人になった。
初戦を負けてからの四連勝での名人奪取。
将棋ファンなら、棋譜を見れば分かる通り、勢いで勝ったのではなく、内容面でも羽生先生を圧倒した将棋だった。
佐藤天彦先生(以下、天彦先生)は、ここ数年タイトル戦にも何度か顔を出し始めるようになったが、それまでの下積み生活がずっと長い先生の一人であった。
かつて三段リーグで、フリークラス入り宣言を行わずに三段リーグに留まり、実力で三段リーグを突破した強情さと確かな実力を兼ね揃えた棋士であったものの、なかなか芽が出なかった。

佐藤天彦先生の活躍まで

彼の実力が発揮され始めたのは2014年頃から。
B級2組を九勝無敗の無傷で駆け上がり、2015年はB級1組を十勝一敗で突破。
そして、昨年度はA級初年度ながら八勝一敗で名人挑戦、そして、名人奪取という恐るべきスピードで駆け上がった。
名人戦は非常に時間が掛かる棋戦である。
最速でも、C2→C1→B2→B1→Aなので、五年は掛かる。
天彦先生が四段になったのは2006年なので、十年掛かった計算になるが、それでも十年というのは並の棋士からすると、相当早い。
デビュー後七年で名人になった谷川浩司を別格とすれば、歴代でもかなり早い方である。
(最も、プロデビュー後十年以内で名人になった羽生善治(実質八年)、佐藤康光(九年)という化け物共が存在するので、天彦先生の記録は霞んでしまう)

歴史的瞬間

将棋ファンとしては、歴史的瞬間に立ち会えたのだという実感がある。
相手はあの羽生善治永世名人だ。
最近の将棋の内容は悪くなっているものの、唯一七冠独占を果たした男であり、今なお複数のタイトルを所持している規格外の将棋お化けである。
その羽生先生を相手に、天彦先生は果敢に立ち向かった。
ターニングポイントになったのは名人戦第二局。
並の棋士ならば、羽生先生のミスに気づくことは無かっただろう。
しかし、天彦先生は、そのミスに気づいた。たった1手のポカミス。
それを見逃さずに、逆転勝ちに持って行ったのだ。

これが、呼び水となり、以降は天彦先生有利の将棋が繰り広げられた。
内容も充実しており、実力で完全に羽生先生を上回っているのは、はたから見ても明らかであった。
しかし、相手はあの羽生善治だ。
最後まで油断することの出来ない規格外の化け物だ。
天彦先生は、最後の最後まで油断すること無く勝ち切った。

名人戦最終局について

最終局の将棋は、横歩取り後手番で、8四飛を選択。その後、歩の合わせから8五飛と引く珍しい形になった。
後手が一手損をしているのに、形としてはなぜか先手の模様があまり良くなっていないという非常に複雑な将棋だった。
この形で先手駄目ならば、もっと別の手をさらに先の方で選ばなければならないという程の内容である。
横歩取りは、専門外なので、僕自身自信を持って言えないのだが、それほど複雑な形の将棋だったのが印象深い。

横歩取りに強いという事について

天彦先生は、後手番横歩取りでの勝率が高い事で有名だ。
特にここ数年では負けのほうが少ないほど勝っている。
同じ形で勝っているのではなく、色々な形で勝っているのだ。
これは、横歩取りの序盤研究を深くしているという事と、終盤での強さを兼ね揃えているということの証左である。
横歩取りは、序盤からいきなり終盤になるような将棋が多く、将棋ファンの中でも相当コアな人でないと理解が追いつかない将棋の一つである。
手の損得はもちろん、駒の損得に関しても、通常の感覚を度外視した将棋が多い。
したがって、その意味を捉えるのが非常に難しい。
プロですら難しいと感じているその将棋を確実に自分自身の物としているのが、天彦先生の強さだと思う。

ちなみに、羽生先生が横歩取りに弱いかというと、そういう事は無く、むしろ横歩取りで1番強いのは羽生善治では無いかと言われるほどの鬼畜っぷりを示している。
盤面が複雑になればなるほど、羽生先生はその強さを示しだす。
しかし、今回の名人戦に限ってはその限りでは無かった。
複雑な盤面でも強い若人が、対面に立ちはだかっていたからだ。

渡辺明について

私の記憶が正しければ、渡辺明は、対羽生戦ではあまり横歩取りを指さなかったはずである。
通常の感覚や大局観が重視される角換わりや矢倉を好んで羽生先生にぶつけていた。
一方、異種感覚を必要とする横歩取りを羽生先生にぶつける棋士は少ない。
余程横歩取りの将棋に自信を持っていないと指せないからである。
強情性の高い丸山九段や、佐藤康光九段は羽生先生に横歩取りをぶつけている棋士である。
また、名人戦での戦いの多い森内九段も、いくつかの名局を残している。
(最も、森内九段はどちらかと言うと渡辺明よりで、羽生先生には矢倉か角換わりという程通常感覚での将棋が多かった気がする)

今後の将棋について

今後、天彦先生がどのような将棋指しになるかは分からない。
しかし、時代が変わる節目に立ち会えている事に間違いはない。

そう、それほど偉大な事を天彦先生は成し遂げたのであり、それほど偉大な事を羽生善治先生は成し遂げて来たのだ。

さて、羽生先生は弱体化したのだろうか。
最近の内容を見ると非常に悪い内容が多い。
確かに悪手は指していないが、それでも以前に比べるとプラスとなる手が少なくなっているように見受けられる。
羽生先生が弱くなったとは考えにくいが、それでも、かつての羽生先生らしからぬ将棋の内容が多い。
強情さが無くなったという訳ではなく、むしろ以前通りの強情さは残っているものの、それを上回る手でとがめられているという内容が多い。

つまり、端的に言えば、 羽生先生を上回る若手が増えてきた という事だ。

羽生世代は、以前から劣化が始まったと言われているが、その筆頭である羽生先生がついに衰え始めたのだ。
本人の実力が落ちたのではなく、若手の実力が上がるという形で。

現代将棋は、遂に羽生善治という偉人を超え始めたとも言える。

升田幸三が現代将棋の礎を築き、羽生世代がそれを成長させ、そして、今の若手が遂にその将棋を引き継ぐ形で伸ばし始めたのである。
現代将棋は、攻め重視の将棋だ。
序盤から、奪えるリードは積極的に奪っていく。
最も、そのリードの内容が変わっていて、駒得とか手得といった分かりやすいリードから、良い形や手番といった分かりにくいリードを奪う将棋にシフトしつつある。
仮に過去の将棋指しが現代の将棋を見ると、以前と変わらないじゃないかという局面はいくつかあるが、それでも水面下での多くの変化に関しては現代将棋が過去の将棋を全て上回っていて、そしてさらにその先まで突き詰めている。
断言できるが、今のプロ棋士ならば、最強と言われた全盛期の大山康晴にやすやすと勝つことが出来るであろう。
それほど、現代将棋は進んでいる。

最後になるが、佐藤天彦先生、名人奪取本当におめでとうございます。
三段リーグの頃からずっと注目していた棋士なだけに、心からお慶び申し上げます。
今後も、多くのタイトル戦に顔を出して、名人だけに満足せず複数のタイトルを取ってご活躍する事を楽しみにしております。